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2017/05/19

多治見タクシー身売り

  世間にとっては、誠に小さなニュースだが、岐阜県のタクシー業界に激震が走った。もちろん私も、一瞬サカナくんになった。ギョギョギョ!である。

 

 西濃運輸グループの一員である大垣のスイトタクシーが、多治見タクシー、可児タクシー、新太田タクシーの3社を買収したとの報道がされた。この3社は、岐阜の日本タクシーの子会社で、配車センターを可児市に置き、統合営業をしていたのだが、車両保有台数岐阜県最大の日本タクシーグループによる売却だけに、首を傾げる点もある。また、スイトタクシーにとっては、隣接区域ならともかく、大垣拠点で営業区域が飛び地となるから、メリットがどこにあるのかよくわからない。まあいずれにしても、両者の思惑が一致したことに間違いはないので、部外者がどうこう言う問題でもないとは思うが・・・。

http://ma-times.jp/51127.html

  

 タクシー業界では、古くから同業者間の買収が頻繁に行われて来た。法規制により「交通圏」という営業区域が定められており、増車や新規開業も簡単にできないことになっている。区域、台数とも規模拡大を目指そうとすると、営業許可と車両を持つ会社を買った方が早いのである。この3社も、元は別の会社で日本タクシーが順次買収をして来たものである。

 

 一般的に、売却する側の理由は、不採算によるものや、後継者がいないという事情によるものが多いが、実は経営者の精神的疲弊というものも少なくない。運転手とのやり取りに疲れちゃうのである。よかれと思って色々と努力していることにグスグス文句言われて、こんな儲からん仕事で「やってられるかぁ!」となるのである。同じ経営者として、気持ちは良くわかる。運転手さんは、辞表を叩きつけて他社へ行けば、余程のことがない限り、仕事も収入も同じ条件で勤められるだろう。ところが経営者はそうはいかない。街中で他社のタクシーに乗った元社員とすれ違う度、心は疲弊して行く。年中無休のオールナイト営業で、気の休まる暇もなく、同年のサラリーマン管理職より給与も安いとくりゃ、止めたくなるのも当然である。そして、辞表の代わりに株券を他社に差し出すのである。

 

 さて、そうはいうもののタクシー業界の買収は、悪いことではないと私は思っている。車両台数10台未満の会社が、法人タクシーの7割を占めるという事実は、あまり知られていないことだが、市場が縮小し、大きな変革を求められる時代には、やる気のない小さな会社は、はっはり言って邪魔なのである。経営意欲のある経営者が、スケールメリットを生かし経営して行った方が、お客様のためにも有効だろう。実は、国の思惑もそうであり、施策もそちらに向けてある。端的に言うと、事業者の数を減らしたいのである。ITを「いとうたかしさんのことですか?」と言うような経営者は、斬り捨て御免なのである。

 

 そういえば、当社に驚くDMが届いたことがある。「あなたの会社売りませんか?」とある。差出人は、聞いたことのない経営コンサルタントの会社名が記されていたが、よくよく見ると、全国最大手のタクシー会社の名前が頭に浮かぶものであった。M&Aの持ちかけをDMでするなんて、他の業界ではあり得ないことだろう。「借入金があってもOK!」「取締役として残ることもできます!」なんて優しい言葉も並んでいる。果たしてこのDMの効果がどれほどのものなのか知らないが、辞表を叩きつけた社員の背中を見送りながら、このDMを開いたとしたら、ついつい電話に手が伸びるかも知れない。

 

 かくいう私も、会社売却を考えたことがないわけではない。正直言うが、経営的にも精神的にも楽になることは間違いないと思う。しかし、創業時の想い、支援してくれた方々のこと、そして一番は、頑張ってくれている社員のことを思えば、そうたやすく人手に渡すことはできない。会社という法人は「人」だから、なんとなく生きているものではない。意志があり目的があり性格もある。この「志」を引き継いでくれる買い手は、この業界にはそうそういないだろう。

 

 ただ、未来のためにはM&Aは検討のひとつとなる。なら、買い手に回るか。実は、多治見に買いたい会社がひとつあるのだが、あの会社、いくら出せば買えるのだろう。DM、送ってみるか。

 

 

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