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2017/06/26

他生の縁

 モルディブに住む友人が、日本に帰って起業をしたいというので色々と相談に乗っていた。就労支援事業とネット通販に興味があるらしく、様々なビジネスアイデアやら、商売の基本やらについてSkypeでやりとりしていたのだが、先日、いよいよ帰国したので、多治見に招いて、その筋で飯を食っている三人の社長に引き合わせた。彼女は、相当な刺激を受けたらしく、混乱と興奮をしていたようだが、元々否定的な私とは裏腹に、起業の決意をさらに固くしたようである。

 

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 そう、女性である。言っておくが私の色恋の対象ではない。まあ実質独身の私にとっては、その辺のスキャンダルなど、今更、どうでもいい話だが、世の中には面倒くさい奴もいるので、きちんと述べておく。

 彼女の経歴は、結構、特異である。鳥取県で生まれ、短大卒業後、役場に勤めたものの二年で辞め、韓国へ留学した。ソウルの四大を出て東京で通訳・翻訳の仕事をしたものの環境問題に興味が生まれ、大学院に入学する。在学中、ニュージーランドでのワーホリを経験し、卒業後、環境問題先進国と言われるアイルランドに渡ったが、縁あってモルディブに住みついたという。まあまあの“不思議ちゃん”である。

 

 IMG1033R.jpg

 

 

 私がアフリカに行った折、大韓航空のマイレージを使ったのだが、モルディブの首都であるマーレと仁川の直行便があり、どうせならちょっと寄ってみるか程度の軽い気持ちでモルディブ経由を決めた。ところが、リゾートは宿泊費がバカ高く、島へ渡るにもボートか飛行機で行かなければならず、それも高額で、第一、情報が少な過ぎた。どうしたものかとさっぱり手詰まりした私は、現地ツアー会社にメールを送ったのだが、相手をしてくれたのが彼女だったのである。それがなんとも事務的ではなく“人情的”なメールで、商売度外視して色々と教えてもらったので空港でのアテンドをお願いした。最低の宿泊費と最低の船賃しか出せないと主張する私に対して、オーダー通り探してくれたのだが、後で聞いた話によると、あんまり私が値切るもんだから、宿泊費を間違えて40ドルほど損をしたらしい。それが彼女との縁の始まりである。

 

 さて、三人の社長の名前は伏せるが、言わずもがな、共通して多動性症候群であり、しゃべりだしたら誠に暑苦しい方々である。私の周りには、このタイプがほとんどである、というよりこのタイプしかいない。圧倒された彼女は、経営者という生き物が全てそうだと思ったようだが、一応、否定はしておいた。ただ、こうじゃなきゃやってられないとも伝えておいた。皆が認める一角の経営者は、大概じっとしていなくて高温である。

 

 三人に会った後、「思ったより皆さん、お金の話をされましたね」と彼女は言った。三人のいずれもが、たとえメッキであっても社会貢献性の強い事業で、言うなれば「ソーシャルビジネス」だと断言してもいい。当社がそうであるように、お金は二の次だというイメージが彼女にとっては強かったのだろう。ところが、皆、共通して利益への拘りの話をし、「儲ける」という目標の大切さを説いたのである。社会起業家の口から出た銭の話は、彼女には意外だったのである。

 

 無題

 

 会社を興して、順風満帆に行く経営者など皆無だと思う。皆、共通して壁にぶち当たり、途方に暮れる場面がある。特に、お金が無いという辛さは、体験した人でないと想像すらできないことだと思う。志を実現するには、お金が必要だという絶対的な事実と厳しさを、起業をする人にはわかってもらいたい、そう思うのは至極自然なことである。

 

 私が彼女の企業に対して否定的だと言ったのは、わざわざ火中の栗を拾う人生でなくとも、ほかの生き方があるだろうと思ったからである。ただ、こういう奇特な人もいないと、世の中成り立って行かないことも事実である。

 お前はどうだったのかと聞かれれば、26歳で起業した時、見事なほど何も考えていなかった。そういうものなのかも知れない、とも思う。冷たい言い方に聞こえるかも知れないが、彼女が起業を言いだしていなかったら、その後、特に会うこともなかっただろう。

 

 袖擦れ合うも他生の縁。多生とも書くが、輪廻の中で人と出会うと、私は思うようにしている。おそらく前世で彼女にお世話になったのだろう。恩返しである。お金も経験も知識もコネもない彼女が、何かを始めようとしている。応援せねばなるまい。その節は、協力乞う。

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