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2017/07/13

台湾の旅

   沖縄の旅の話のついでに、台湾の話をしよう。ご存じのとおり、地図上で沖縄の左を見ると、そこは台湾である。歴史的に様々な見解はあるが、海外と言っても、かつては日本であった国である。“近くて近い国”台湾だが、まだ私は3回しか訪れていない。最近では、今年の2月、某自動車学校社長がホールインワンコンペを台北でやると言いだし、仕方ないふりをして喜んで参加したのが一番新しい訪問である。

 

たいわん

  

   台北には、セントレアから直行便で約3時間半、帰りは約2時間半程度で行って来られる。LCCもどんどん増便しているので、全国どこからでも最も行き易い海外である。沖縄のさらに南に位置するこの国は、常夏のイメージがあるが、今年2月に訪れた時は、相当寒く、また大雨に祟られた。今回の旅のメインがゴルフだっただけに、とんでもなく痛い目に会うこととなったのだが、主催者の日頃の心がけの悪さ以外、何者でもない。

 台湾ごるふ

  

   そんなわけで、ゴルフの話は語るべくもないので止めておくが、例によって私はわがままを言って、2日ほど旅を延長させてもらった。同行者と空港で別れた30分後に私の携帯が鳴って「飛行機が飛ばへんがや」と欠航の知らせを受け、空港で足止めを喰らう面々の顔を思い浮かべて、腹の底から笑わせてもらったが、とにもかくにも団体行動から離れ、私は台北市内を独りうろつくことにした。

 

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   まず興味があったのは新幹線である。一般的ではないが、桃園空港からバスを乗り継いで台北駅まで新幹線に乗るルートがあるので、行って見た。発券窓口は長蛇の列ができ、自動券売機で相当苦労してチケットを買って乗ったのは、日本と全く同じ車両の新幹線であった。見事にそのまんまである。日曜日の夕方というせいであったのか、通路に立つのもたいへんなぐらいの乗車率で閉口した。もっとも10数分の乗車である。あっという間に台北駅につき、人波にもまれて駅前の日本人御用達ビジネスホテルにチェックインした。何故、御用達なのか・・・現在、台北のホテルは100%禁煙である。ただし、ベランダの付いている部屋では黙認される。この宿をとった最大の理由がそれなのだが、笑えるほど狭いベランダで寒さに震えホタル族となり、それでもウシュレット付きの部屋で快適に爆睡することが出来た。

 

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   翌朝目覚めると、すこぶる快調に腹が空いていた。よしここは有名な阜抗豆漿(フーハンドウジャン)へ行って見ようと、Googleの地図アプリに頼って路線バスに乗って行って見た。ところが・・・様子がおかしいと思ったら休みである。こういう時の切り替えの早さには私は自信がある。大体、そうは言ってもたかが豆乳である。どうでもいと思えばどうでもいい食いもんなのである。と、斜め向かいに同じような看板の店を見つけた。永和豆漿と書かれてある。まあ、物は試しと店内に入り、「台北ナビ」の写真と同じものを頼んだら、ああた、これがうまいうまい。人気店である必要なんかまるでないではないか。あの店、休みで良かったんじゃないか?と思える思考は、経営者には必要な資質である。

 

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   さて、腹は満たされたが特に行くあてはない。ふと、その昔テレビ番組で見た「占い横丁」を思い出した。ググると地下鉄4つほどの駅である。胡散臭い占いだったが時間つぶしにはもってこいかも知れない。大体、今でも商売が成り立っているのだろうか。ビジネスモデルとしては、非常に興味が湧く。

 

 横丁は、ビルの地下通路のような所にあった。5軒ほどが軒を連ねていたが、目当ての店があるわけではなく、どうしたものかと思案しているところに、半ば強引におばちゃんに引き込まれた。「はい、ここ座って」と言われるがまま、たたみかける様に生年月日と名前を聞かれ、私の向かいに座った“先生”に通訳を始めた。その後、二三、何かを聞かれた気がするが覚えていない。すると、“先生”は赤い紙に何やらすごい勢いで書き始めた。それを今度はおばちゃんが日本語で同様の紙に書き写し、いきなり一方的に話始めた。「あなたモテるね。女には苦労しない。一生、遊び、大丈夫!」・・・おいおい、いきなり女の話かよ!なんだか「女=遊び」というのが引っ掛かったが、確かに私はモテるし、そう言われて悪い気はしない。「仕事、これからもっとよくなる、大丈夫!」「体、心配ない。水たくさん飲んでね。大丈夫!」・・・あとは何を言われたのかよく覚えていないが、とにかくはっきり記憶にあるのは「女」と「大丈夫」である。まあ、確かに私の人生、そのふたつがあれば充分楽しく生きて行ける。ははあん、さすがプロである。当たるも八卦当たらぬも八卦、お客様を楽しくするのは、他のエンターティメントと同じである。提供側がいる限り、この商売は続いて行くだろう。入れ違いに三人組の若い女性たちが店の前に来て、どの店にしようか迷っていた風だったので私は声をかけた。「どの店も外れはないよ」と。

 

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 さて、今晩の宿は、台北の奥座敷、北投温泉に取った。ちょっと奮発して露天風呂客室である。もろ、カップル御用達の御籠り系宿であるので、ビビアン・スーを誘いたかったが、まあ彼女も忙しいから、今回は、ひとりで温泉三昧としよう。

 北投温泉は、はっきり言って、我が岐阜が誇る下呂温泉とは比べ物にならない鼻くそのような湯であったが、ただ、微妙に異国情緒と日式が混じる温泉地は、とても面白かった。ここには日本の加賀屋が出店しているが、たまたま修学旅行生の団体が入って行くのを見つけ、日本経済はまだまだ元気だと安堵しながらも複雑な気持ちとなった。まあ、彼らにとっては良い経験に間違いないからいいのだろうが、奮発したつもりの私の宿は、加賀屋の半分以下の料金である。貧乏人は僻みっぽいのである。

 

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 ほんの少しの散歩と、ビール⇔温泉の繰り返しで、あっという間に帰国の時間となったが、久しぶりにゆっくり出来た休日だった。帰り際、潰れたパチンコ屋を見つけた。どう見ても日本の昭和である。歴史のいたずらで結果として海外となった。嫌中嫌韓がブームのようになっていることが残念でならないが、国境という不思議な境界線について考えさせられた。

  

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 てなこと書いていたら、雨降りに祟られ飛行機が飛ばずに延泊したあの同行者から、9月初旬にリベンジゴルフツアーが決定したと携帯に知らせが入った。そうだな、今度は、高雄あたりに足を延ばしてみるか。そうそう、誰かビビアンの携帯番号しらないか?


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2017/07/12

久米島の旅VO.2

 那覇から4時間ほどフェリーに揺られ、久米島にたどり着いた後、すぐにホテルにチェックインして、シュノーケリングを楽しもうと、ホテル内のビーチハウスへ電話を入れた。ところがライセンスのない者には、シュノーケリングセットは貸し出せないという。

 

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 なんなら忍び込んでかっぱらったるか、脅迫まがいに押し切ったろかと受話器を握りながら思いを巡らせていると、受話器の向こうのネェちゃんがこう言った。「ライセンスをお持ちでないお客様には、専用の講習を受講していただくか、ツアーへ参加いただくかのいずれかになります。」・・・。

 ならすぐ講習してくれよ、いくらだ?5千円!?えらい高いなぁ。「ただぁ・・・スタッフがおりませんので、すぐに講習はできません。」とネェちゃんは言う。ならいつならいいんだ?夕方?って、もう夕方じゃん。「明日朝9時に出発するツアーにご参加いただければ、ツアーの中で講習をさせていただきます。」・・・ははーん、そーゆーことなのね。いくら?「ランチ付きで13,800円でございます。」って、高っ!

 

 ハテの浜

 

 ツアーの行先は、おそらく久米島を訪れる観光客のほぼ全員が行くであろう砂浜だけの無人島「ハテの浜」である。まあそりゃあ行ってみる価値はある場所なのだが、たしか、私の事前調査では、行くだけなら4,000円からツアーがあるはずだ。この辺、私はすこぶるセコイ。徹底的にこだわる。素人だますような商売は許せないのである。

 ランチは何だ?カ、カレーライス!?ドリンク別ぅ!?のヤロ、阿漕な商売しやがって!断固拒否、誰が行くもんか、んなとこ!とは言わず、「ありがとう」と私は電話を切った。シュノーケリングにもハテの浜にも未練はない。貧乏人は貧乏人としての意地がある。それを貫き通してこそ貧乏人の道である。

 ならばバイクだ。まあ、時間的に今日はしょうがない、一杯飲んで寝るとするか、明日バイクで島内一周だ。かくして、久米島の1日目は全く何もせず終了したのであった。 


そら

 

 ネットを見ると、島内唯一のレンタルバイク屋は自社HPを持っていない。ここで嫌な予感がしたが、ホテルからはすぐそこだし、年中無休だというから、まさか、かき入れ時の日曜日の今日、休みということもあるまい。と思いながら8時に電話を入れてみると、誰も出ない。様子を見計らって、何度電話しても出ない。あら、なんだ営業時間10時からじゃんと気が付き、10時に電話してみるも出ない。やばいな。まさか休み?しょうがないので店まで歩いて行ってみた。な、なんと店の前にはバイクは並んでいるものの、鍵はかかり人の気配はない。シュノーケリングに続き、バイクまでアウトか!?なんということであろう。神は我を見捨てまおうたか!

 

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 途方に暮れた私は、バイク屋の裏にあるコンビニで遅い朝食を採り、どうしたものかと思案していた。時計を見ると11時30分。このまま1日が終わるのかと思うと残念でならず、なんとなくもう一度、店に電話をかけて見た。すぐさま出た。声はおばあちゃんである。やってるよー、と軽く言う。嘘つけやってないじゃんか、鍵かかってたじゃん!

 電話を切って15秒後に店に着くと、お客さんがひとりバイクのエンジンをかけているところだった。かかんねぇぞー、ならコッチにしろやと別の鍵を渡しているやりとり待つこと5分。私の番が来た。

 「今日は中学校の運動会でさー、みんなそっちさー。」どうやら婆さまは予約客に対応するため、店主の言いつけで店に帰って来たらしい。「ん?6時間?いくらだ?」、俺に聞いてどうするよ、ばあちゃん。一応、免許証のコピーを取られ、どれでもいいから乗って行けという。島ならではの素晴らしい緩さだ。ブレーキも緩そうなので大丈夫かよと思いながら、このスリリングさが離島ならではなのである。これを容認できない人には、離島、いや沖縄は無理である。ばあちゃんのおかげで楽しい1日となった。原付バイクで島中を走り回り、美しい景色をいくつも眺めた。いつ止まるかもわからない緩いバイクが、この旅を最高のものにしてくれた。

 

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 翌朝、台風3号の影響でフェリーが欠航となった。実は、なんとなくの勘で久米島に着いた時、帰りの飛行機を押えたのである。残り1席だった。折しも、ご主人様から東京への呼び出しがあり、なんとなくの勘は神がかり的な勘であるという結果となった。

 

 ただ、だからこそ・・・島の緩さを本土に持ち込めるほどの度胸が、まだ私にはないと言える。商売より運動会の方が大切に決まっているではないか。バイクを返しに行った時、店主の爺さんは、笑って私に「ありがとう」と言った。あの笑顔に、どうやっても今の私の笑顔は勝てない・・・そう思った。

2017/07/10

久米島の旅VO.1

   沖縄は那覇へ行った。おかげさまで公務である。おかげさまというのは、全国子育てタクシー協会理事様である。毎年、総会は全国各地持ち回りで行なわれているが、今年は那覇での開催なのである。毎回出席の私は、当然、那覇だから行けないという不細工なことは言えないので、しょうがなく4日の休みをプラスして行くことにした。しょうがなくというのは、それ以外にやりようがないという意味だからいいのである。

 

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   5年ほど前、那覇のスナックで隣席した兄ちゃんが「海はリトーだよ」と言った。イントネーションの違いから「離島」だとわかるのに数秒かったが、とにかく「リトー」という言葉が引っ掛かり、色々と調べてみると、日本で一番南の島と日本で一番西の島が八重山諸島にあるという。そうか島めぐりだと思い立ち、ようやく2年前、八重山諸島めぐりが実現した。石垣島を起点に、日本最西端の与那国、そして日本最南端の波照間と渡り、西表、小浜、竹富と周った。冬でも半袖で通すと自慢していた兄ちゃんのいうことは本当だった。離島の海の色は別物だった。と同時に、島の雰囲気もそこで暮らす人も、それぞれ島々で特徴があった。私は完全に八重山の虜となった。

 

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   ただ、あの兄ちゃんのいう「リトー」とは、八重山のことなのか、もしかすると本島周辺のことを言っているのではないか、そんなに遠くに行かなくても、「リトーは目の前にあるよ」と言われるような気がして、昨年は那覇から高速船で1時間の渡嘉敷島へ行った。たった1時間で、海の色は、やはり離島のものだった。ただ、残念かな、ここは離島ではない。本島に属している島である。日帰り旅行者が多いせいなのか、いざとなれば誰も助けに来ないという凛とした緊張感がない、そんな気がした。ならば、どれだけ離れれば離島なのか。この単純で、しかも曖昧で、人から見ればどうでもいい問いの答えを私は探そうと、今回は渡嘉敷島から少し遠い久米島を選んだ。

  

 くめ

 

 久米島は、那覇から飛行機で30分、フェリーなら3時間半である。面積は、宮古島に次いで大きく、沖縄では5番目だという。砂浜だけの無人島「ハテの浜」が一番の売りだが、行ってみると、残念ながらバブルに置き捨てられた寂れた観光地だった。私は、ビーチが目の前だと謳う格安リゾートホテルを宿にしたが、とある日本の航空会社が手に負えず手放したものをリニューアルもせずに引き続き営業している古いホテルだった。ビーチも見た目はいいが、荒れていた。日本全国でよくある老舗観光地と同じく、こうなると巻き返すのは至難の業だろう。まあ、その方がダイバーや本当に海好きの人たちには良いのかも知れない。車海老の養殖が盛んなようだから、島の経済を観光に頼る必要もなかろう。そうやって、本来の島に戻る方が良い気がした。

 

イーフ

  

   私が離島に行くと必ずすることがある。浅瀬をシュノーケリングで覗くことと原付バイクを借りて島中を走り回ることである。逆に言えば、それ以外、本を読むか酒を飲むか寝るぐらいしかすることがないのだが、水深1mでもサンゴがいれば充分美しいものが見られるし、風を切って原付バイクで走る爽快さは、離島ならではのものである。どちらも手軽に、かつ安価に楽しめるからいい。

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  ホテルに到着してすぐ、マスクを借りようとホテル内のビーチハウスに電話を入れた。ところが、ライセンスをお持ちですかという。ええ、仕事柄、大型二種を持っていますけど、というような冗談は一切通じないほど、電話口の向こうのネェちゃんは冷たく言い放った。ライセンスってああた、持ってないからこそのシュノーケリングでしょ。ライセンスがありゃ、ボンベかついで潜りまんがな!という抵抗もむなしく、ライセンスがなければ専用の講習を受けろという。お上り観光客に勝手に海で死なれちゃ寝覚めが悪いだろうから、そりゃ分からないでもないが・・・。

 

 さて、果たしてどうなったのか、この後は、つづく・・・。

2017/06/17

飛行機が好きだ VO.2

 飛行機が好きだ。と言いながら、いや直接的にではなくて、“あの”待遇が好きだけなのかも知れないと、ふと思った。

 世の中に商売数あれど、ある一定の基準でお客を選別し、あからさまに分け隔てする商売も少ない。「ある一定」とは、お金をたくさん払った人と、そうでない人である。わかりやすいと言えばわかりやすいが、どちらもお客であるのに、提供するサービス、対応待遇は、天と地の差がある。常識的に考えれば、お客の方も怒りそうなものだが、航空会社に限って文句は出ない。区別ならまだしも、あれは差別の域である。そう疑問に思わない人は、差別の実態を知らないのであろう。

 

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 通常、機内の座席は3クラスある。ファーストクラスとビジネスクラス、そしてエコノミークラスである。最近では、航空会社によって、呼び方を変えているところもあるし、また、エコノミーとビジネスの中間クラスを設けている会社もあるが、いずれにしてもクラスごとの待遇がまる違う。ファーストクラスは、これはもう別格で小さな飛行機では設定すらないので、一般的に体感するのは、ビジネスクラスとエコノミークラスの差である。

 通常、ビジネスクラスはエコノミークラスの3倍から10倍の運賃が設定されているが、まずはシートの装備がまるで違う。最新機材ではフルフラットになり、隣席に触れないように個室風になっているものが多い。次に食事だ。きちんとテーブルセットがなされ、“本物の皿”で提供される。離陸前にメニューが渡され好きなものをチョイスするのが一般的だ。お代わりどころか、全部持って来いと言っても許される世界である。ワインリストもあり、ベーシックなカクテルなら大体対応する。エコノミーの“餌”とは別格のものであり、出し方さえ違うのである。

 

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 他にエコノミーとの違いと言えば、空港でラウンジを利用できることも大きい。飯も酒も食い飲み放題。豪華な応接セットに身を沈め優雅な気分に浸れる。チェックインも専用カウンターで、長蛇の列に並ぶこともない。搭乗時には優先して席に案内され、到着後には、預けた荷物は最初に出て来る。こういう目に見えるものの他に、職員の態度が違うということもある。何かものを頼んでも、あからさまに対応が違うのである。搭乗券は、黄門さまの御印籠と同じ効果を発揮するのである。

 

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 この特別扱いを、一度でも経験してしまったら、ほとんどの人は中毒になるだろう。だから、エコノミーの10倍するような銭を出す人も現れるのだが、誠にしたたかな航空会社の営業戦略に、どっぷりハマっているとも言えるのである。え?お前、ビンボーなのに何でビジネス乗れるのかって!?・・・ああ、私はビンボーである。未だかつて、ビジネスクラスの運賃など、まともに払ったことなどない。実は、CAを手玉に取り、地上係員を愛人にすれば・・・なわけなかろう。あったら空港に住むぞ、俺は。

 

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 ビンボー人でも胸を張ってビジネスに乗ることが出来るしくみを航空会社が作っているのである。金持ちを虜にするばかりか、貧乏人にもニンジンをぶら下げている恐ろしいまでのしたたかさであるが、ご存じマイレージクラブというやつである。これが飛行機に乗ってポイントが貯まるというだけでなく、飛行機に乗らなくても貯まるからニンジンとなる。行く行く伝授はするが、私が年に一度の割でビジネスに乗り海外へ行けるのは、このマイルと呼ばれるポイントを、あくまでも日々せこく、ヒシヒシと涙ぐましいまでの努力で貯めているからである。とは言っても効率的に貯めようと思うと、結構複雑な技術が要るから、このブログで今後ゆっくりと説明しようと考えている。乞うご期待である。

 

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 ここ数年、LCCの台頭で航空業界は大きく様変わりしたが、一概に成功したとは言い切れないだろう。ただでさえ狭いシートを更に狭くして多く乗せようというのである。私のような体では、一度座ったら化石状態、息をするのもやっとである。あれが受け入れられるということは、世の中には、いかにM体質の人が多いかということだ。それにしても航空業界は実に面白い。鼻くそどころか、チリ扱いから王様待遇まで、幅広い商品ラインナップである。たとえチリでもお金を払っているお客様なのだが、お金を払わず客でもないやつが王様面できるのだから愉快である。なにせ搭乗券には「コイツはマイレージで乗っている貧乏人だ」とは、どこにも書かれてないからね。やっぱり私は飛行機が好きである。

 

2017/06/06

飛行機が好き VO.1

   飛行機が好きだ。旅に出る時の空港に向かう昂揚感は、他の交通手段では味わえないものがある。自分の体が宙に浮き、窓から見える街がどんどん小さくなって行く。やがて雲を抜けると空はとことん青く、太陽は嫌というほど眩しい。飛行機の窓から見る景色は、本当に現実なのかと疑うほど非日常的であり美しい。それが旅なのである。

 

   そら

 

   ただ、高所恐怖症の私は、飛行機に乗るたび、ある覚悟をする。落ちても後悔すまい文句は言うまい。だって、あのデカい機体が空に浮かぶのである。浮かんでいるものは落ちるのが自然の原理。実は科学者でも何故飛ぶのかはわかっていないと、ある東大の先生が書いた本の中で読んだ。一定の形で一定のスピードを出すと、それは宙に浮く、という結果が全てである。ともかくも飛行機は、数ある交通機関の中で一番安全だと言われるが、それは真っ赤な嘘である。単に事故率の問題で落ちないと言っているのだが、いや飛行機は落ちる。知っていて乗る。私は、その覚悟を、毎回すると言っているのである。

 

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   嘘と言えば、航空会社は、お客に数々の嘘をつく。ある国内線に乗り、座席に空席が目立ったので、私は一旦座った席を立ち、通路を挟んで向かい側の席に移った。悪いことに、バッチリ乗務員に見つかった。彼女は私にこう言った。「機体のバランスが崩れますので、元のお席にお戻り下さい。」って、はあ~!?機体のバランス?何トンもある機体のバランスが、私が動いたことで崩れる!?まあ確かに私の体重は、0.1トンあるからスレンダーな女性の二人分ということにはなるが、いやいや、バランスが崩れることはないでしょう。あのね、私も運転手の端くれですからね、60人乗りのバスを運転しますけれども、車内で人が動いてハンドル取られましたって経験はありませんよ。10人乗りぐらいのセスナならまだわかるが、スッチーは、何故、そのような嘘を付くのか。えっ?スッチーはスッチーだよ。スッチャーデス!ん?CA?ふん、何がシーエーだ。キャビンアテンダントなんて舌を嚙むようなめんどくさい名前を付けるんじゃない!ったく。

 

  機内

 

   禁煙にまつわる嘘も平気でつく。燃料に火が移る可能性がありますので、機内での喫煙はご遠慮くださいだぁ~!?たーけこけ!移るかそんなもん!あんたねー、常識で考えてごらん。ジェット燃料が客室内に充満するとでもいいなさんのか?それ聞いたらエアバスで汗水垂らして機体組み立てているおっちゃんは泣くよー。そうそう、電子機器による電波障害もきっと嘘だね。離着陸の時に、あちこちで電話してられちゃあ困るから言ってるだけでしょ、あんなもん。そこんとこどーなのよ、愛ちゃん?本当のところは。ん、ナニ?突然フルなってか、まあ、そうだね、じゃあ今度二人っきりで。はあ?いいんだよ、誰でも。いいから気にするな。聞き流せ、いやいや、読み流せ。

 

   それでも飛行機が好きである。コレでも食っとけ貧乏人!とエコノミー席で餌のように渡される機内食も、足首と手首ぐらいしか動かせない狭いシートも、クォーッととんでもない音のする非快適なトイレも、そりゃあまあ色々あるが、私は飛行機が好きなのである。

 

   最近は、LCCがたくさんできて、航空業界の常識をひっくり返してくれるから面白い。どこかのミニスカートは中止となって誠に残念だが、今やTシャツにジーパンが制服というLCCもできた。中には、タメ口のようなスッチーや定年後のババアのごとき奴もいるが、まあそれも愛嬌である。

 

き

 

 

   先日、着陸後、バスへの乗継時間がなく、もし乗り過ごせば空港で泊まらなければならない状態だった。間に合うかね?と乗務員に尋ねたら、ハッチが開いたとたん、私とダッシュで並走し出口を案内してくれた。息絶え絶えに「そこを左に曲がって階段を下りてください。」と走りながら教えてくれた彼女に、もう大丈夫と言うと、立ち止まった彼女は、「どうぞ、お気をつけて~」と私の背中に叫ぶように言った。振り返ると彼女は、ゴールしたマラソンランナーのように倒れそうになりながらも、私に向かって手を振っていた。オレンジ色の航空会社である。たぶん、青色の所は落ちたのだろう。私は、飛行機が好きである。

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